救国シンクタンク研究成果報告
【プラスチック新法による使い捨てプラスチック製品の有料化見送りへ】
2021年から救国シンクタンクでは「アクティビストのための調査手法モデル化」という研究を郵便学者の内藤陽介先生に委託して進めてまいりました。
この研究(いわゆるレジ袋研究)は、2019年の環境省の省令改正によって始まった「レジ袋有料義務化」を調査対象としています。
本研究の目的は「おかしな政策がどのように形成されたのか」の調査です。
じつは、レジ袋有料「義務化」を法律にすると憲法違反(第22条営業の自由)の疑義がありました。そこで法律ではなく省令によって「義務化」することにしたのです。
なぜ、法律ではなく省令で憲法違反の疑義を乗り越えたのか…
このような、疑義をもった政策が形成された背景を知り、政策の良否を検証するため調査を開始しました。
レジ袋有料化は70年代の成功体験から?!〜内藤陽介先生委託研究「アクティビティストのための調査手法モデル化」中間報告 渡瀬裕哉 中川コージ 倉山満【救国シンクタンク】
レジ袋有料化廃止の可能性は!?アクティビストのための調査手法モデル化研究中間報告 内藤陽介 渡瀬裕哉 中川コージ 倉山満【救国シンクタンク】
本研究を進める過程で判明したのは、省令にはレジ袋の「有料義務化」ではなく、レジ袋の排出量の抑制が定められているだけで、省令を運用するガイドラインに「レジ袋有料化義務化(無料配布禁止等)」という文言が記載されていたことでした。
「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」
「プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン」
省令においてレジ袋の有料化は義務ではなく、例外規定も設けられて、環境負荷の少ないレジ袋は無料配布が可能であったことも明らかになりました。
菅前総理インタビュー・レジ袋有料化は義務ではない?! 渡瀬裕哉 内藤陽介 倉山満 江崎道朗 中川コージ【救国シンクタンク】
しかし、2019年7月より始まった「レジ袋有料義務化」によって多くの消費者が経済的な負担を強いられ、無料配布できるレジ袋を有料で売るような便乗値上げの横行を生み出し、政策目的であったプラスチック削減とは何も関係がない事態になりました。最悪のケースとしてはレジ袋製造事業者が廃業に追い込まれたことが挙げられます。
大発見!レジ袋有料化義務化研究ここまで来た!~実践『誰が殺した日本国憲法』 弁護士横山賢司 内藤陽介 倉山満【チャンネルくらら】
このような状況下で、いわゆるプラスチック新法(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)が2022年4月に施行されることになります。
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」
プラスチック新法によって、使い捨てのプラスチック製品の削減を企業などに求め、無料で提供しているスプーンやフォークも有料化される予定でしたが、大手コンビニ各社は有料化を見送ることとしました。
コンビニ各社 プラ削減へ対応もスプーンなど有料化は見送り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220307/k10013517701000.html
〈NHK 2022年3月7日5時29分〉
政官界では「レジ袋有料義務化と広報したことは問題ではないか」という空気が広がり始め、国会においては、NHK党の浜田聡参議院議員は前述の事態を問題として「レジ袋有料義務化」やプラスチック新法に関する質問主意書を第204回国会では8個、第207回国会では11個、提出しています。(下記は一部になります)
「プラスチック製買物袋有料化に関する質問主意書」
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/204/syuh/s204010.htm
「プラスチック製買物袋有料化義務付けが法改正でなく省令改正でなされたことに関する質問主意書」
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/204/syuh/s204030.htm
「プラスチック製買物袋有料化と費用便益分析に関する質問主意書」
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/204/syuh/s204043.htm
国民の自由、財産権を侵害する「無用な」規制を減らすために、民間シンクタンクによる丁寧かつ粘り強い研究が極めて有効である事を、救国シンクタンクの会員の皆様にご報告させていただくとともに、これからも「提言・普及・実現」してまいりたいと思います。
2022年5月7日(土)14時から星陵会館にて「アクティビストのための調査手法モデル化」(レジ袋研究)をテーマにフォーラムを開催予定です。ぜひ、お越しください。
(文責:事務局)