◆◆救国シンクタンクメールマガジン 24/04/07号◆◆
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本日から客員研究員の横山賢司弁護士のメルマガが始まります。約3週間毎くらいのペースでお送りする予定です。様々な規制や法律について専門家の立場から解説をしていただきます。どうぞお楽しみに。(事務局)
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下、「障害者差別解消法」という。)の改正案が令和3年の通常国会において成立し、事業者への「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮」(以下、「合理的配慮」という。)の提供について努力義務から義務へ変更され、令和6年4月1日から施行されます。
そして、合理的配慮の内容とは何かについて、所管官庁となる内閣府は、「① 行政機関等と事業者が、② その事務・事業を行うに当たり、③ 個々の場面で、障害者から「社会的なバリアを取り除いてほしい」旨の意思の表明があった場合に④ その実施に伴う負担が過重でないときに⑤ 社会的なバリアを取り除くために必要かつ合理的な配慮を講ずること」と説明しています(内閣府リーフレット「障害者差別解消法が変わります!令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」(以下、「内閣府リーフレット」という。)4頁参照)。
さて、上記のような「合理的配慮」の提供義務が「努力義務」から「義務」となる場合、どのような影響が出るのでしょうか。
法律の話ですが、文字が二文字消えただけで天と地の差が生じます。
すなわち、「努力義務」は、その義務を守らなくても何か法律上の利益・不利益を発生させるものではありません。
これに対して、「義務」は、人に対して何らかの作為・不作為を法律に基づき強制するものであり、表裏一体の関係で特定の人に対して他人に対して何らかの作為・不作為を法律に基づき強制する権利を与えるものになります。
上記の障害者差別解消法の改正により、事業者に対して障害者への「合理的配慮を講ずる義務(提供義務)」が課せられることにより、その義務に応じなければ違法行為と認められることになります。
それでは、このように事業者に対して障害者への「合理的配慮を講ずる義務(提供義務)」が課せられることにより法的な問題は生じないのでしょうか。
あくまでも私個人の意見とお断りしたうえで、二つの問題が生じると思います。
一つ目の問題としては、事業者側の営業の自由又は財産権に対する権利侵害の可能性があります。
障害者差別解消法により事業者には、障害者に対する合理的配慮の提供義務が課せられることになります。
内閣府の上記のリーフレットでは、合理的配慮の具体的な事例として、「小売店において、混雑時に視覚障害のある人から店員に対し、店内を付き添って買い物を補助するよう求められた場合に、混雑時のため付き添いはできないが、店員が買い物リストを書き留めて商品を準備することを提案すること。( 過重な負担(人的・体制上の制約)の観点)」(内閣府リーフレット5頁参照)と説明し、一見すると事業者側に対しても負担にならないかのような説明をしています。
ところで、障害福祉サービスを利用して上記と同様に介護者が障害者の買い物を援助する場合に、時間にもよりますが最低でも2400円ほどの介護報酬が発生することになります(厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和元年10月見直し分)」。
つまり、内閣府は、事業者に対して障害福祉サービスで2400円ほどの介護報酬が発生する労務を無償で提供することを義務として法律上強制しているといえます。
少なくとも事業者に対して金銭的価値の有する「労務」という財産権(憲法29条)を侵害し、かつ、事業者が雇用する労働者の2400円分の価値を有する労務を使って行う営業活動に対して不利益を課すことになり営業の自由(憲法22条)の侵害となりうるのではないかと考えます。
しかし、もっと問題なのは‥‥
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今回の配信では横山客員研究員が4月1日から施行された「障害者差別解消法」の改正案の問題点について解説しています。
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