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小野田 治【 救国シンクタンクメルマガ寄稿 安保の道程 #40 】暗雲漂うチョークポイントの国際海峡

◆◆ 救国シンクタンクメールマガジン 26/08/13号 ◆◆
ドナルド・トランプ米大統領が、イスラエルのネタニヤフ首相と組んでイランを攻撃してから半年がたとうとしています。何のための戦争だったのかが日に日に曖昧になっていくなかで、この戦争の大義を思い出してみたいと思います。ホワイトハウスが議会上院に報告した3月2日付の公式書簡にはこうあります。「中東地域における米軍部隊の保護、米国本土の防衛、ホルムズ海峡を通じた海上貿易の自由な流通の確保を含む米国の重要な国益の推進、およびイスラエルを含む地域の同盟国に対する集団的自衛のためにイランを攻撃する」という説明でした。しかしその結果、重要な国際航路であるホルムズ海峡が事実上の閉鎖に追い込まれ、打開の目途は立っていません。さらにイランの代理勢力であるイエメンのフーシ派によって紅海のバブ・エル・マンデブ海峡も事実上の封鎖の危機に晒されています。アメリカの国益の推進どころか、同盟国の国益まで損なう結果になってしまいました。
言うまでもなく、日本にとってこれらの海峡の自由航行は死活問題です。日本が輸入する原油の約9割、液化天然ガス(LNG)の約2割がホルムズ海峡を経由しています。さらに、日本から湾岸諸国向けの輸出では、自動車、プラント関連の機械設備、鉄鋼・金属製品などが海峡を通過しています。
紅海を経由する貿易は、中東の石油に加えて、スエズ運河を経由する欧州や地中海諸国との間で自動車関連や産業機械、化学品・医薬品、食品・農産物、各種日用品など多岐にわたる品目が含まれます。紅海の情勢緊迫化に伴って、これらの輸送は南アフリカの喜望峰ルートへの迂回にシフトしつつあります。航海距離が約30%延び、船舶の燃料消費量は30〜50%増加し、航海日数が10~15日延びるために、海運各社は「喜望峰迂回割増金」いわゆるサーチャージを適用し、船舶用の保険料も高騰しています。海運会社はより多くの船舶を必要とし、荷主の日本企業は輸送リードタイム長期化のために在庫量を増加せざるを得ず、コスト増加が価格に転嫁されていくことは避けられません。
こうした海洋チョークポイントをめぐる混乱や、壊滅的な経済的影響は今に始まった新しい事態ではありません。チョークポイントを支配する国家が通行権や安全確保を人質にして、不当な関税、法外な通航料、あるいは政治的・軍事的な対価を獲得してきた歴史は枚挙にいとまがありません。いくつか例を挙げましょう‥‥
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