内藤陽介の「メルマガで世界を読む」第25回「プーチンの24年ぶり訪朝と戦略的包括パートナーシップ条約」

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◆◆救国シンクタンクメールマガジン 2024/6/24号◆◆

 

ロシアのプーチン大統領が、6月19日、2000年以来、24年ぶりに平壌を訪問し、北朝鮮との間で両国間の戦略的包括パートナーシップ条約を調印しました。

 

現在の北朝鮮の金正恩体制は、「中国を絶対に信用するな」との金正日の遺訓の下、中国の支援は受けつつも、中国と対抗しうる大国を活用するという基本方針を取っており、ロシアはその重要な相手国となっています。

 

そもそも、2020年の新型コロナ禍以前から、ロシアは北朝鮮にとって重要なエネルギー資源の調達先でした。

すなわち、2018年時点での北朝鮮の石油輸入は、中国から原油約50万トン、石油製品約21万トンだったのに対して、ロシアからも軽油を中心に20-30万トンが入っています。

 

当時はロシアも国際世論に一定の配慮をしていましたので、国連の制裁対象になっている北朝鮮向けの石油(製品)輸出はゼロに等しいと主張していましたが、第三国を目的地としつつ、実際は北朝鮮に帰港したり、対中輸出の名目で北朝鮮に転送したりするなどして、2017年第1・4半期の貿易額は前年比でほぼ倍増となる3140万ドル(当時のレートで約35億円)に達していました。

これに対して、北朝鮮は石炭の輸出によって年間推定10億ドル以上の収入を得ており、これを石油輸入の原資としていました。具体的な取引方法としては、中国を出港したパナマ船籍ないしはジャマイカ船籍の船舶が北朝鮮領海に入る際に位置情報システムを切り、南浦(平壌の外港)に入港して石炭を積んだ後、朝鮮半島を迂回してシステムを再稼働させ、ロシアの港を経由し、石炭を積んだまま中国に戻ることで、中国がロシアから石炭を輸入した形式を偽装していました。

 

また、すでに2015年の時点で、在ロシアの北朝鮮労働者は4万7000人(ロシア人と結婚した者や亡命者、不法労働者は含まず)いましたが、これはロシアの外国人労働者の出身国別ランキングの1位で、2位の中国の1万9000人を大きく引き離しています。

 

特に、2017年3月22日、ロシアは北朝鮮労働移民の受入拡大に関する中長期の計画を示しており、その一部は、2018年サッカーW杯のスタジアム建設などに投入されたほか、その後も、シベリア鉄道の朝鮮半島への延伸計画や南北朝鮮を結ぶガスパイプライン建設構想、北朝鮮の港湾活用などの大型土木プロジェクトには、北朝鮮からの奴隷労働力(彼らは移送用コンテナで生活し、1日17時間労働で給与は約10米ドル。その8割は北朝鮮に送金しているとされますから、その待遇は奴隷と呼んでも差し支えないでしょう)が供給され続けていました。

 

さらに、2016年の時点で北朝鮮の朝鮮人民軍がシリア内戦でアサド政権支援のために戦っていたことが確認されていることから、ウクライナ紛争の進展に伴い‥‥

 

 

 

今回のメルマガでは、ロシアのプーチン大統領が、24年ぶりに平壌を訪問し、北朝鮮と戦略的包括パートナーシップ条約を調印したことについて内藤陽介研究員が解説しています。

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