内藤陽介の「メルマガで世界を読む」第23回「欧州議会選挙の結果についての雑感」

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◆◆救国シンクタンクメールマガジン 2024/6/11号◆◆

 

6月6日のオランダを皮切りに、6月9日までEU加盟各国で行われていた欧州議会選挙(定数720)が終わりました。本稿執筆時点での暫定的な結果速報は以下の通りです。(カッコ内は改選時からの増減。数字は欧州議会: dpa-infocomによる)

 

・欧州人民党グループ(EPP、キリスト教民主系の中道右派) 184(+8)

・欧州社会民主進歩同盟(S&D、中道左派) 139 (±0)

・欧州刷新(RE、中道リベラル) 80(-22)

・欧州保守改革(ECR、右派) 73(+4)

・アイデンティティーと民主主義(ID、民族主義右派) 58 (+9)

・緑の党・欧州自由連盟(Green/EFA、リベラル) 52(-19)

・無所属活動 45(-17)

・欧州統一左派連合/北方緑の左派(GUE/NGL、急進左派) 36(-1)

・その他53 議席

 

これにより、親EU派(EPP+S&D+RE+Green/EFA)は455議席となり、改選時に比べて33議席減となりましたが、過半数の361は大きく上回っています。また、もともと今回の欧州議会選挙では、新型コロナ・パンデミック以前の2019年(当然、ロシアによるウクライナへの全面侵攻起きていなければ、それに伴うインフレの昂進、さらにはガザ地区をめぐるイスラエルとハマースの紛争も起きていません)からEUを取り巻く環境が激変したため、親EU派現職の苦戦が予想されており、4月19日付で政治専門サイト「ポリティコ・ヨーロッパ」が発表した選挙予測(無所属議員のカウント方法の違いなどにより、改選時の会派別数字などについては若干相違がありますが)では、親EU派は443議席(-48)との数字が出ていましたので、それから比べると、欧州議会全体としては、親EU派がなんとか踏みとどまったとみて良いでしょう。

 

一方、EU懐疑派のうち、右派勢力のECRとIDは2会派あわせて13議席増の合計131議席となりましたが、選挙直前、ナチス用語の発言を理由にIDから除名されたドイツの右派政党“ドイツのための選択(AfD)”が得た14議席を加えると、右派系のEU懐疑派は27議席増の145議席になります。ただし、同じく「ポリティコ・ヨーロッパ」が発表した選挙予測では、右派系のEU懐疑派は38議席増が予想されていましたので、右派系のEU懐疑派は欧州全体では思ったよりも伸び悩んだと言えます。

 

やはり、選挙直前、米国が‥‥

 

 

 

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