渡瀬裕哉 米国政治、理解の極意はこれだ!

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(文責:事務局)

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今回のメルマガ「日本をアップグレードする方法」では、米国のインフラ予算・債務上限問題を巡る攻防を通じ、現代米国政治の正しい見方を提供します。

 

米国では連邦予算は大統領ではなく連邦議会が作ります。大統領は予算教書で全体的な方向性を示し、連邦議会が意に沿わない予算を作ってきた場合に拒否権を行使することしかできません。

 

したがって、連邦議会議員は予算に関して強大な権限を持っていることになります。日本のように政党による議会での投票行動の縛りは存在せず、自らの意志に基づいて予算・法案に賛否を投じるため、個々の議員の判断が極めて重要となります。

 

上院議員は各州の代表2名・計100名で構成されており、下院議員は人口で各州に割り付けられた435名で構成されています。上院は州全体(リベラルな州都から保守的な農村まで)を選挙区としており極端にイデオロギー的に偏った決断は難しい環境に置かれているのに対し、下院は特定地域からイデオロギー的に傾斜した選挙区民によって議員が選ばれる傾向があります。

 

そのため、上院でも激しい政治闘争は繰り広げられるものの、実際には最終的には上院両党派の妥協に至る力学が働きやすい構造があります。中道的イデオロギーを持つ数名の議員の投票行動が予算・法案の賛否を左右することになり、ホワイトハウスや議会執行部が重要予算・法案を通すために自党の中道派を宥めすかして、予算・法案内容を生温いものに調整して妥結することになります。

 

一方、下院はイデオロギー的な妥協を許さない党派(派閥)による影響が極めて大きくなる傾向があります。共和党・民主党ともに保守化・左派化が進んでおり、中道派の影響力は大きく後退してきています。最近ではイデオロギー的な偏りが強い支持者による小口献金が増加しており、この傾向に一層の拍車がかかっています。

 

では、ここで現在審議されているインフラ予算を通じて、現在の米国政治の状況を確認してみましょう。

 

米国では共和党保守派はインフラ予算を抑制したいのに対し、民主党左派は予算を拡大し続けたい欲望に駆られています。両党の中道派は最低限の物理的なインフラ予算を認めるものの、左派が求める社会福祉までをインフラとする予算拡大案には反対しています。

 

連邦上院の議席は50対50であるために激しい党派対立が行われているように見えますが、実際には両党の中道派数名の議員が妥協するだけで予算が通ります。そのため、延々と数名の議員(現在はたった1名の民主党議員)によるパフォーマンスが行われた上で、最後は両党指導部が主導する形で妥協案を可決することになります。

 

すると、今度は連邦下院で上院案も含めて審議されるようになりますが、主に民主党左派であるCongressional Progressive Caucusなどが妥協案に反発して予算拡大を強固に主張します。これに対して民主党保守中道派のBlue Dog Coalitionの少数メンバーが左派のやり方に反発して上院妥協案を支持する素振りを見せますが、多勢に無勢であっさり政治的に鎮圧されることになります。オカシオ・コルテスのようなDemocratic Socialists of Americaなどの極左勢力は浮きまくっているので、「ためにするもの」と理解しておくだけで良いです。

 

一方、共和党保守派の下院グループであるRepublican Study Committeeも民主党左派の派閥のアイディアに靡きませんから、共和党側からの妥協も容易には行われません。こちらも頑固一徹です。したがって、上院の妥協案は下院では簡単に成立せず、下院で徒に時が経過していくことになります。

 

端的に言うと、実は米国の政治を理解する基本は…

 

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令和4年1月22日(土)星稜会館にて「第3回救国シンクタンクフォーラム」を開催いたします。

 

〈開催日時〉

令和4年1月22日(土)14時~17時

〈会場〉 星陵会館

〈登壇者〉

渡瀬裕哉研究員、中川コージ研究員

【ゲスト】

小泉悠先生(ロシアの軍事・安全保障)

奥山真司先生(地政学者)

部谷直亮先生(安全保障アナリスト)

 

モデレータ:倉山満所長

 

内容の詳細は決まり次第お知らせいたします。

 

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